男子ごはん!簡単!フライパンで作ろう。牛肉のローストビーフのレシピ【#おしゃれ #肉 #ソース】

簡単!でもオシャレで本格男子ごはんのレシピと雑学のページへようこそ。

     牛肉ローストビーフ

 

Hola ! 商社マンとして日々世界中から牛肉を買い回っている四葉です!

今日は赤身肉を仕入れたときによく作るローストビーフの作り方をご紹介します。

オーブンを使ったりとか、炊飯器を使ってみたりとか、調べたらいろんなローストビーフの作り方が出てきます。でもね、オーブンを使おうが炊飯器を使おうが、最初は絶対フライパンで表面を焼くという作業が必要なんです。じゃあ道具は少ないほうがいいじゃない、シンプルにいきましょうよ、ということで今回はフライパンのみを使う作り方です。道具の多さはハードルの高さに直結します。ハードルは低いほうがいい。簡単シンプルに作っちゃいましょう。

 

それではさっそく時短レシピを紹介していきます。

 

【材料①】

牛肉…好きなだけ

オリーブオイル...適量

塩…適量

粗挽き胡椒…適量

ローズマリー…あるといい香り。(肉とかスパゲティとかに合うので持っていて損なしです!あと響きがおしゃれ。)

アルミホイル…焼いた肉を包む用

 

【材料②(ソース)】

玉ねぎ…1/4玉

ワイン…200ml

※ライトボディかミディアムがおすすめです。フルボディだと味に出る渋みをとるのが大変です。

バター...小さじ2杯程度

※バターはコクを出しワインの渋みをとる役目があります。ワインの渋みによって適量が変わりますので上のは目安。

濃口醤油…小さじ1杯程度(隠し味かつワインの渋みをとってくれます)

中華だし…適量(私の愛用はウェイホァン(味煌)という半ねりタイプ。業務スーパーとかで売っています。廣記商行さんのウェイパーより安い!粉末とかキューブタイプとか、手に入りやすいものを使ってください)

 

1.肉を冷蔵庫から2時間程度出して常温に戻しておく

時短のためにこれはめちゃくちゃ重要です。肉の中が冷たいままだと熱がなかなか通らず調理にすごく時間がかかります。

 

2.牛肉の塊を切る

今回は肩甲骨の部分の牛肉を使用しました。

表面の皮は固く、柔らかい食感のローストビーフを作るために取り除きます。

脂も取ってしまいましょう。

トリミングが終われば好きなサイズにカットします。赤身肉なので焼くと縮みます。

気持ち大きめにカットするのが良いです。

牛肉の塊。脂とスジを除去。

 

ローストビーフ用に好きなサイズにカット


3.塩胡椒する(ローズマリーやお好きなハーブもこの時振りかけましょう)

たっぷり塩と胡椒を振って下さい。

塩は浸透圧差により肉表面の水分を吸い出し、水分が減った肉の表面の層が牛肉の旨味を外側に逃がさない役目をし、旨味を肉内部に閉じ込めてくれます。

胡椒によって香りとスパイスを加え、さらに肉のくさみを取ります。

満遍なく肉に塩胡椒し、手で軽く揉みこんで下さい。

牛肉に塩胡椒する

 

4.肉の表面を焼く

フライパンにオリーブオイルを入れて強火にし、白い湯気が立ったらフライパンが十分に熱くなった証拠なので肉を投入します。

目的は肉の表面を茶色にして香ばしさを出すこと(メイラード反応といいます。下の小話の部分でご紹介します)と、一気に熱することで肉の表面をぎゅっと縮ませ、それによって肉汁の流出を防ぐ蓋を作ることができます。肉のすべての面が茶色になるまでフォークやトングで肉を動かしながら焼き色を付けていきます。

牛肉の表面を焼いてメイラード反応を起こさせる

5.焼いた肉をアルミホイルに包む

肉の内部に熱を通そうとこのまま焼き続けると、内部に火が通る頃には表面が真っ黒焦げになってしまいます。そのため、アルミホイルに包むことで肉表面の熱を外に逃がさず内にこもらせ、その熱で内部に熱を通していきます。アルミホイルは二重にするとより熱を逃がしません。

厚さ5cm程度の肉ならこのまま包んで15分ほどおきます。

私が使用した肉のように10cm前後のものならば別の方法でもう少し熱を加えてやります。次の6で説明します。

 

6.水蒸気で牛肉に熱を伝える(肉がの厚みが5cm以上の場合のみ)

フライパンに1cm程度水を引き湯気がたつまで待ちます。湯気が立ったらアルミホイルで包んだ牛肉を入れ蓋をします。

水蒸気で牛肉に熱を入れていく

この時アルミホイルを二重から三重にし、フライパンに引いた水分がアルミホイルの内側に侵入してこないようにしてください。水分が付着したらせっかく付けた香ばしさが取れてします。

フライパンに蓋をし、水蒸気を利用することで肉のすべての面を同時に熱することができます。これで時短になります。私は10cmの厚さで1分半熱しました。もう少し薄い場合は1分程度で十分でしょう。

熱したら火を止めフライパンから肉を出し、20分ほどおいて熱を内部に伝えます。肉内部の温度は60℃あれば良いです。低く感じますが新鮮な肉ならこの温度で十分です。細菌が死に始める温度は52℃からで、多くの食中毒の原因菌は55~60℃で死滅します。逆に熱くしすぎると旨味が牛肉の外に逃げ出し、味が薄くてパサパサした悲しいローストビーフになってしまいます。

 

7.出来上がり

断面はご覧の通り。柔らかくて旨味が詰まったジューシーなローストビーフの出来上がりです。

調理時間のほとんどが放置することです。フライパンがあれば十分においしいローストビーフができます。肉の部位や厚さによって火の通り加減が違いますので、熱を入れる時間は目安です。いろいろ試してみてください。

また、ちょっと固い肉(肩や腕などは大小のスジが多くあり固く感じます)は焼く前に

肉をフォークでぶすぶす満遍なく刺すと、フォークがスジを断ち切ってくれますので食べたときの固さはだいぶなくなります。

 

フライパンで簡単にできるローストビーフ

8.ソースを作る

今回はワイン由来の酸味と玉ねぎ由来の甘さがコラボレーションした大人のソースの作り方をご紹介します。

①玉ねぎをみじん切りにして飴色になるまで炒めます(ちなみにこの飴色になるのも上述したメイラード反応です)。そこに玉ねぎが完全につかるくらいの水を入れ、中華だしを入れて溶かします。中華だしがコクと軽い塩味を出してくれます。

②完全に溶けたら一度味見をしてください。中華スープの味が濃ゆすぎると感じるくらいがちょうどいいです。ここからワインを入れるので中華風の味は抑えられますからね。

③ワインをすべて入れてかき混ぜたら弱火にして30秒程度待ちます。ワインのアルコール分を飛ばしましょう。完全には飛びませんので(ALC.5%くらいになります)お酒が本気でダメな方はこのソースは諦めてください。と言ってもソースなので量は少しですし、中華スープや玉ねぎとも混ざりますのでほとんどの人はアルコールに気づくことすらありません。

④30秒経ったらバターを入れて溶かし、醤油を入れましょう。バターを入れることでマイルドさとコクが出ます。醤油は味を引き締めワインの渋みを消してくれます。味見をしながら足りなければ足してください。塩味が足りないと感じる場合は醤油ではなく塩を足してください。

醤油は主張が強いので入れすぎると和のテイストが強くなりすぎます。このソースはワインの酸味と玉ねぎの甘味を楽しむソースですので醤油はあくまで脇役です。

 

このソースの良いところは、作るのにいろんな野菜は必要なく、非常にシンプルで簡単、3~4分でサクッと作れるところです。材料が少なくすぐに作れるためバーベキューのときにも活躍します。ソースをさっと作れるってめちゃくちゃかっこいいと思います。濃厚さには欠けますがあっさりしているぶん牛肉の旨味をしっかりと感じられますし、赤ワインなので肉との相性も抜群です。ステーキにも使えますよ。玉ねぎを粗みじんにすれば玉ねぎの食感がアクセントになってよりおいしいと思います。

 

今回はシンプルで簡単、かつ時短なローストビーフのレシピをご紹介しました。

ローストビーフ丼にするなりサラダと一緒に盛り付けるなりお酒のあてにするなり、お好きな方法で召し上がってみてください。

 

 

 

 

商社マンの小話

ローストビーフ用牛肉。塊肉

今回使用した牛肉:チャックテンダーという肩甲骨のところに付いている筋肉。

肉質は少し固いため、フォークで満遍なく突き刺して肉の繊維を断ち切り柔らかくして使用しました。これで1kgちょっとあります。

さて、4.肉の表面を焼く で出てきたメイラード反応についてご紹介します。

世の中の物質はすべていろんな化学物質の集合体です。僕らの体もそうだし牛肉もそうです。そしてそれらは特定の条件でいろんな反応を見せます。タンパク質の構成要素のアミノ酸、炭水化物の構成要素の糖、このふたつが加熱されると結び付いて褐色になり、香ばしさを放ちます。これがメイラード反応です。実はトーストを焼いたときの茶色のものも焦げではなくメイラード反応です。もちろん加熱しすぎると焦げになりますが。

香ばしさを味方につけられれば、これから食べる人たちの気持ちを高めることができます。気持ちが高まると早く食べたい!と食欲が強くなり空腹に近い気分になるので、食べたときによりおいしく感じることができます。味わうという行為は味覚だけじゃなく五感すべてを使うので、嗅覚も視覚も触覚も聴覚も、使えるものはすべて使いましょう。

僕は家に来た人に料理は振舞うとき、来た時点ですでに出来上がったものを出すのではなく、あえて作るところをさりげなく見せます。仕上げの部分だけでもいいです。そうやって徐々に食べる人の気持ちを高めていき、料理を食べ始めたところで気持ちを最高潮に持っていく。美味い料理は世の中に溢れています。せっかく作るんだから、「体験」してもらいましょう。そういう意味で、料理はプレゼンテーションだと思います。料理を通して相手の胃袋と心を掴んでください。

 

それでは、Obrigado! ありがとうございました!